消えがてのうた

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zoom RSS 考古館への道

<<   作成日時 : 2008/07/28 21:11   >>

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自宅から車で15分。
左右に田園風景が広がるその名もエコーラインを直進すれば、目的とするところは一番早いのだけれど・・・

進行方向に向かって右手には、八ヶ岳の稜線が鮮やかな曲線を描いている。
夏空はどこまでも深く青い。
けれどもへそ曲がりの私は、この快適な直線道路から外れて林の中へとハンドルを切る。
鳥たちが鳴き交わし、木漏れ日もきららかな緑の小径。
雑木林の中に見え隠れしているのは、指揮者、渡邉暁雄さんのメモリアル・ホール「ハーモニーの家」だ。


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やがて木の間隠れにひっそりと鎮まる竜神池が見えてくる。

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行き交う車も、人の姿もまれなこの道を抜け、やがてたどり着くのは尖石(とがりいし)縄文考古館。
開館前のひっそりとした館内で、2000点に及ぶ縄文時代の出土品が、柔らかな光の中でまどろんでいる。
この時間、まだ誰にも見られることを意識していない5000年前の遺品たちは、遥かな昔の息を吐く。


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しかしその彼らも、照明のスイッチが入り、ブラインドが上げられて、開館時間を迎えるころには
いつの間にかよそいきの顔をしてすましている。
開館前の、人気ない空間に満ちている、生き物めいた妖かしの気配を、いったいどこに隠しこんだのか。


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隣町の井戸尻考古館の蓮池では、今、古代蓮が満開だ。
人知れぬ太古の昔へと遡る悠久の蓮の記憶。
蓮の花を咲かせているのが太古の夢だとしたら、尖石の土器や土偶たちの情念もまた、井戸尻の蓮の花と、
地下水脈にも似たいにしえの記憶で繋がっているのかもしれない。



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「蛇」  縄文の造形 (T)
小学生のときだったか、もう中学校に入っていたか。 初めて見た縄文土器はおどろおどろしいまでの情念にあふれていた。 ...続きを見る
消えがてのうた
2008/09/14 23:06
「ヴィーナス」 縄文の造形 (U)
尖石(とがりいし)縄文考古館の2000点を超える展示品の中でもひときわ目を引くのが、今から約5000年前の縄文中期の遺跡から出土した「縄文のヴィーナス」呼ばれる土偶である。 ...続きを見る
消えがてのうた
2008/09/14 23:07
考古館への道 U  晩秋の午後
夏、緑濃かった雑木林、いつの間にかすっかり葉を落としました。 ...続きを見る
消えがてのうた part 2
2010/02/19 07:55

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コメント(10件)

内 容 ニックネーム/日時
ここの縄文式土器も素晴らしい。奈良の国立博物館も凄かったのですが、新潟県の十日町市の博物館からの説明をそのまま引用します。
 火焔型土器は、立体的な装飾にとみ、優れた造形美を有する土器です。その独特な形や文様は、各地の土器の影響のもとに、今から4500年前にここ信濃川上・中流域で成立・発展したものと推定されます。
我が国有数の豪雪地帯であるこの地方に分布の中心があることは、当時のクニ(文化圏)を知る上でとても重要です。
火焔型土器のはっきりした用途は不明ですが、その特異な形状から、祭りなどに用いる非日常的な土器ではないかと考えられます。
  この火焔型土器とその仲間の王冠型土器は、平成11年に、国宝に指定された笹山遺跡出土品928点の中に、20個体も含まれています。
イエローポスト
2008/07/29 00:00
このあたりに住んでいた縄文人、木の実を採集し、獣を追いかけて暮らしていた人々と同じ山を眺め風を感じているとおもうと不思議な感じがします。
森の生活
2008/07/29 09:33
◇イエローポストさん

コメントありがとうございます。
十日町市の火焔型土器、奈良の国立博物館でごらんになられたのでしょうか。かねてより実物を見たいと思っておりますが、なかなか機会に恵まれません。火焔型が実際に炎をイメージしたものであるのか、誰にも断定はできないとは思いますが、渦巻き燃え盛るようなエネルギーを感じるすばらしいものですね。実用にはむしろ必要のない装飾にこれほどの情熱を込める意志には確かに呪術的と言っても良い強い情念を感じます。
我が尖石縄文考古館にも、国宝の「縄文のビーナス」や重文の「仮面の女神」と呼ばれる、ほとんど完全体で出土したすばらしい土偶があります。
こちらにお出かけの際はぜひ一度足をお運びください。
aosta
2008/07/29 22:39
◇森の生活さん

コメントありがとうございます。
縄文中期から後期にかけて、この八ヶ岳山麓は日本でももっとも人口密度が高かったと推定されています。遺跡が多いわけですよね(笑)。
森の恵みだけでなく諏訪湖という大きな恵みもあったでしょうし、黒曜石の産出に恵まれた土地であったことも、当時のこの地域の繁栄に大きく寄与するものであったことと思われます。
毎朝八ヶ岳の雄姿を眺望しながら縄文の風を感じられるなんて、不思議であると同時に幸せなことと思わずにはいられません。
しなやかに自然と交感していたであろう太古の人々の暮らしに思いを馳せるとき、私たちもまた縄文びとの末裔であることの不思議を思います。
aosta
2008/07/29 22:50
たまたま台風でキャンセルしたら、旅行会社から全く別のニュー大谷ホテルの新潟県の湯沢の案内があって、出かけたのです。その周辺を調べて、秋山郷(秘境といわれていったのですが、レストランの備えてあった冊子に、「ほとんどの人が豪雪で餓死」とあった)にもたまたま足を延ばし、十日町市博物館によったら、奈良の博物館でみた縄文土器もさることながら、凄い縄文土器に出会ったのです。その頃の八ケ岳の黒曜石が全国に広まったり意外に拡大していました。十日町市博物館のHPや黒曜石のhttp://www.avis.ne.jp/~tsutsumi/kokuyo/kokuyo.htmも楽しいところです。
イエローポスト
2008/07/30 01:32
◇イエローポストさん

再コメントありがとうございます。
八ヶ岳の黒曜石は北海道産の黒曜石と一緒に、遠く青森の三内丸山遺跡でも出土したようですね。青森と北海道でしたら地理的にうなずける距離ですが、諏訪と青森との地理関係を考えると想像もつかない遥かかなたとしか思えません。人の移動と言うよりコミュニティーからコミュニティーへと物々交換を経て伝わったと見るのが妥当なのでしょう。
同時に尖石遺跡からも、新潟の翡翠、関東の琥珀なども発掘されています。
5000年近く昔これだけ広範囲における”物流”があったという事実には驚かされますね。

aosta
2008/07/31 21:47
縄文時代は豊かに暮らしていたという、縄文土器に芸術を感じます。
八ヶ岳の東側にある長野県茅野市は年会費910円で博物館学習会員になると4月1日から3月30日までの一年間、尖石縄文考古館、八ヶ岳総合博物館、神長館守矢資料館を何回でも見学出来き茅野住民以外の方も学習会員になれますのでおすすめです。私はこれで尖石縄文考古館を顔パスになりました。
ルギーヤ
2008/08/01 14:11
◇ルギーヤさま

初めまして。
お越しいただきましてありがとうございます。

>縄文土器に芸術を感じます。
まったく同感です。
縄文の土器、土偶を見ていると遥かいにしえびとの喜びや悲しみ祈りの声が私の心の中に共振し、増幅して聴こえてきるような気がします。この激しい魂の表現に較べると弥生式の洗練や優雅さも物足りなく思えてなりません(笑)。

>私はこれで尖石縄文考古館を顔パスになりました。
ルギーヤさんは学習会員でいらっしゃるのですね。
ではきっとどこかで私とすれ違っているかも知れませんね。
もしかして、縄文ゼミナールにも出席なさっておいでですか?

考古館がらみのご縁、これからもよろしくお願いいたします。
aosta
2008/08/01 19:08
渡邉暁雄さんが大好きで、よく日本フィルを聴きに行きました。新聞で訃報を読んで涙が出て来たという、身近な方でもないのに亡くなられたのがとても哀しかったのを覚えております。
ノーブルな指揮姿が本当に好きでした。
・・・なのにこんな素敵なホールがあったとは全然知りませんでした。いつか行きたい場所が増えました!ありがとうございます。
うさみ
URL
2008/08/01 21:04
◇うさみさん
 コメントありがとうございました。

>ノーブルな指揮姿が本当に好きでした。

うさみさんも渡邊さんのファンでいらしたのですね。
本当に”ノーブル”という言葉がぴったりの方でしたね。
そしてあの暖かな微笑・・・
訃報を聞かれたうさみさんが思わず涙された、というお話に思わずうなずいてしまいました。
こちらにお出かけの際は、お声をかけてくださいね。
ご案内できたら嬉しいです。
aosta
2008/08/03 21:44

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