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zoom RSS ブラームス 『ピアノ四重奏曲第一番ト短調』作品25

<<   作成日時 : 2006/10/03 23:22   >>

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普段は聴かない。
けれど、心に何か迫る想いがあるとき切羽詰ったように聴きたくなる曲があります。
ブラームスのピアノ四重奏曲第一番。

画像

第一楽章アレグロ 
 最初ピアノで、それからヴァイオリンによって奏でられる憂愁に満ちたテーマ。
 もうその最初の4小節で、身をよじるような悲哀の感情に身が沈んでいきます。
 艶やかなヴァイオリンの音色さえも、その悲しみを深くするかのように響いてきます。
 楽章半ばで、沈んでいた悲哀はわずかに面(おもて)を上げ救いを求めるかのように・・・
 波間に見え隠れする僅かな情熱を、光るようなピアノの音が救い上げていきます。
 再び戻ってくる最初の主題。
 そして不安に満ちた終結・・・

第二楽章インテルメッツオ:アレグロ・マ・ノン・トロッポ。トリオ:アニマート 
変イ長調のトリオの明るさ、軽快さに、僅かに慰められたと思ったのも束の間、潜んでいた暗い情熱が再び再現されます。

第三楽章アンダンテ・コンモート→アニマート
ここでもアニマート”元気に動いて”
美しく大きく歌う弦。
「悲劇的な予感」のあとチェロとヴァイオリンに導かれて始まる軽やかで、くっきりとしたリムを刻んでゆく何とも魅力的な中間部です。
 
第四楽章ロンド・アラ・ジンガレーゼ:プレスト 
再びのト短調。
初めて聴くジンガレーゼという言葉、「ジプシー風のロンド」「チャルダーシュ」のスタイルによるロンドということだそうです。
このピアノ四重奏曲の中で私が一番好きな楽章。
繰り返される主題のなんと暗く暗澹とした情熱と憂いに満ちていることか。
重かったブラームスの弦は、ここで開放されたかのようにストイックでありながら官能的とも言える響きで私を魅了します。
心をざわめかせるようなその旋律は暗い酩酊へと誘うようです。
心を奪われたまま、狂熱的とも思えるフィナーレに引きずり込まれるようにして、この魅惑的な第四楽章は終わりを告げます。
 私はこの曲の中から戻ってこれないまま、しばしの間、ブラームスの波間を漂っています。

     ブラームス:ピアノ四重奏曲第一番ト短調 作品25
           
           ◆マレイ・ペライヤ(ピアノ) 
        
             <アマデウス弦楽四重奏団>
           ◆ノーバート・ブレイニン(ヴァイオリン)
           ◆ピーター・シドロフ(ヴィオラ)
           ◆マーティン・ラヴェット(チェロ)

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コメント(11件)

内 容 ニックネーム/日時
おはようございます。

本筋から外れるようですが
この曲、ペライアのピアノも素晴らしいのですが
機会があれば、ギレリス+アマデウスの演奏も
是非お聴きになってみてくださいませ。
2hirofumi
2006/10/04 08:33
◇24hirofumiさま
 コメント、ありがとうございます。

エミール・ギレリス、もう久しく聴いておりませんでした。
ギレリスといえばベートーヴェンのイメージが強くて、ブラームスの演奏はあまり記憶に無かったのですが、考えてみれば、私がブラームスを聴くようになったのは30台を過ぎてからでした。
ベートーヴェンだけで満足してブラームスまで行き着けなかったのかもしれません。
 でも、こうしてブラームスの魅力に捕らわれている現在、ギレリスの演奏にはとても興味をひかれます。
あの完璧なテクニック、雄々しいけれど決して荒削りではない繊細さをも兼ね備えたギレリスのブラームス、ぜひ聞いてみようと思います。

aosta
2006/10/04 21:07
また聴きたい曲が増えました!
おすすめの盤はちょっと手に入りにくいようですね。
さあ、どれにしましょうか。
Suzuka
2006/10/05 01:26
◇Suzukaさま、こんばんは。

私の持っている、「ルプー/アマデウス」によるCDは、かれこれ8年近く前に買った、CBS/SONYのものですが、もう出ていないのでしょうか?
本と同じで次々に新製品を送り出しては、絶版にする傾向が強くなっているような気がします。
欲しいと思ったときに買っておかないと、「次」がありません(哀)・・・
aosta
2006/10/05 01:28
そういえば、ブラームスの室内楽曲は、
殆ど聴いたことがないことに気づきました。

弦楽六重奏曲は第一番、第二番とも好きです。
チェロを2枚使っているところがいい。
上手なチェロ弾きが一人いたのでしょうね。
伸び伸びとしたブラームスのような気がします。
Stanesby
2006/10/05 20:11
◇Stanesbyさま

ブラームスの室内楽、私も長いこと訳もなく敬遠していたような気がします。何だか暗くて地味なイメージがありました。
室内楽に限らず、ブラームスはあまり積極的に聴くことがなかったのですが、ある日突然テレビから流れてきた交響曲第一番、第一楽章。
ティンパニの連打に体中が震えました。
第二楽章のすべるように柔らかな弦の響きに陶然と聞き入りました。
以来、交響曲ばかりを聴き続け、やっとピアノコンチェルトに眼が行き、室内楽の素晴らしさに気づかされたのは、ここ10年ばかりのことです。

弦楽六重奏曲は、第二番が好きです。
アマデウス・アンサンブル&アルバン・ベルク四重奏団員による87年のライヴ盤が私のお気に入りです。
aosta
2006/10/05 22:11
aosta様
コメント頂きありがとうございました。
確かにブラームスの曲は情念が渦巻いているように思いますが、僕はブラームスがドイツレクイエムで作曲家として成功する以前に作曲された室内楽がとても好きです。青年期の自信と憂鬱の入り交じったこの時期の室内楽は、後期の円熟した悲哀と渋みや中期の安定した抒情よりも僕にしっくりときます。40代、50代になったら好みも変化すると思いますが。
やっちゃばの士
URL
2008/03/21 18:48
◇やっちゃばの士さん
 こちらにもコメントを頂きありがとうございました。

青年期の自身と憂鬱が入り混じった室内楽、おっしゃること、判るような気がします。私はこの時期のブラームスの作品をすっ飛ばして最初から後期の、つまり渋い曲を聞いてしまいましたので、若い頃はブラーブスのよさが理解できませんでした。あのころ、もう少し若い頃の作品に出会っていたなら、わたしのブラームス体験も、随分違う物になっていたことでしょう。でも回り道をしたとはいえ、現在わたしはブラームスの音楽がとても好きです。晩年のかすかな諦念のきらめきを感じさせる旋律も、青年期の瑞々しい憂鬱も。

ドイツレクイエム、久し振りに聞いてみようかと思います。
aosta
2008/03/25 07:42
こんにちは。

私はブラームスは高校生の頃に好きになり、交響曲とか協奏曲とかを聴きました。室内楽を好きになったのは大学生になっです。若い頃から好きだったのは、性格が暗かったのかなぁ・・・??(笑)
ピアノ四重奏曲1番はシェーンベルク編曲のオーケストラ版もすごく楽しめますね。交響曲0番といった感じで好きです。もちろん原曲も大好きです。
ハルくん
URL
2008/10/13 08:24
◇ハルくんさん

こちらにもコメントありがとうございます。
私がブラームスをいいな、と思えるようになったのは30歳をいくつも過ぎてからでした。高校生のころを振り返ればひたすらベートーヴェン!!それからモーツァルト、という一番ありがちな道を歩んでまいりました(笑)

ブラームスは弦楽四重奏第2番もいいですね。
イ短調だったでしょうか。秋の寂寥感、孤独があんなにも美しい旋律で奏でられる曲はないのでは、と思います。
オーケストラ版、まったく知りませんでした。
探してみます。それいけ、アマゾン!!
aosta
2008/10/14 10:36
ブラームスを聴いて想いにひたっているような高校生には、あまりなりたいとは思いません。でも当時の自分は確かにそうでしたね。(笑)

弦楽四重奏の第2番ですか?そりゃまた渋いなァ〜。でも同じ作品51の第1番とどちらも好きですよ。ブラームスの室内楽はほとんど全ての曲が傑作だと思います。
ピアノ四重奏1番のオケ版は本当に素晴らしい編曲だと思います。たぶんシェーンベルクはあの曲が大好きだったのでしょうね。ぜひ聴いてみてください。
ハルくん
2008/10/14 23:37

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