バッハ 『主よ人の望みの喜びよ』 / クリスマスに向けて <その1>

教会でクリスマスに向けての歌の練習が始まりました。
今回私たちが歌うのはバッハのカンタータ147番のコラール(賛美歌228番)。
 上昇と下降を繰り返す美しい旋律を持ったこの曲を耳にしている人は多いことでしょう。
「主よ人の望みの喜びよ」という印象的な名前を与えられたこの曲、バッハのカンタータ147番のコラールに拠る合唱曲をピアノに編曲したものが有名ですね。
コラールとは、ドイツルター派の教会で歌われる合唱曲。
元々はシンプルな旋律だけだったもののようですが、バッハが心に深く響く合唱曲としてさらに完成度の高いものとするべく手を加えた結果、教会の内外を越えて広く人々に愛される曲となりました。

画像


かつてリパッティのピアノ演奏でこの曲を聴いたことがありました。
私が聴いた曲の中でもこのリパッティの演奏によるものが最高だと思います。
静かに声もなく、遥かなる天に向かって立ち昇る香気のような祈りの曲。
痛切なまでの神への愛と憧れを感じさせるすばらしい演奏でした。

さて、合唱曲として自分が歌うことを前提としてみると、これはとても難しい曲に思えてきます。
賛美歌のタイトルは「こころに主イエスを」。
それは、変わらぬ希望である主への溢れるような喜びを歌うもの。
祈りと感謝。決して神から離れないという喜びと確信に満ちた宣言。
しかしながら声を張り上げるでもなく、むしろ静かな祈りの歩みにも似たテンポで、一段一段、神様の高みに近づいていくような曲なのです。
 ひとりアルト・パートを歌っていると、暖かい慰めにも似たものがひたひたと胸に寄せて来るような気がします。
もちろん、各パートが揃ってこそ美しいハーモニーが完成されるのだけれど、この穏やかなアルトの旋律にも豊かに恵まれた祈りと喜びがあります。
私には大きすぎるこの曲をどのように歌えばいいのかという戸惑いと、このように大きな歌を歌うことができるという喜び、このアンビバレントな想いをどのようにバランスをとりながら、これからの練習に臨んだらいいのでしょう。
それは不安であると同時にひとつの冒険。

腹をくくったら、後は練習あるのみ。
ただ前に進むしかありません(笑)。

この記事へのコメント

2006年12月02日 08:52
美しい曲を歌う、それに参加されるよろこび、こちらも微笑まれてきます。

娘も、いまアルトを歌っています。
そのパートがいいのだとか。

アルトの旋律にゆたかな音楽を感じられる。
それはより深い音楽の中に在るということなのでしょうね。
2006年12月03日 07:02
◇Suzuka さま

おはようございます。
お嬢様もアルトなのですか?
それももしかしたらこの曲を?
なんだかうれしいですね(微笑)

今までは、聴くだけで満足していた音楽ですが、自分が歌う側に立ってみると、それまでとはずいぶん違うものが感じられたり、それまで気が付かなかったことを知らされたりと、新しい驚きが一杯です。

私は今まで自分の声がソプラノだと思っていたいました。
と言うより、メロディパートのほうが歌いやすい、という安易な発想だったのですが、どこかで『それは違うぞ』という感じがしていたことも本当です。
第三者から、指摘されるまでその感じは自分で封印していたのですが、ここ何曲かアルとで歌う機会を与えられて、改めて自分がアルトであることを自覚しました。
ハーモ-ニーを作り出す内声の楽しさや喜びが少しづつではありますがわかってきたような気がします。
Stanesby
2006年12月09日 08:53
こちらのブログを読ませて戴き、
物語を書いてみようかという気持ちになりました。
私もこの曲が好きだからです。

こちらの記事へのコメント、とても書ききれません。
そこで、トラックバックさせて戴きます。
しばらく続くと思います。

第7話・・・(4)までは、アグネスさんに主たるスポットを当てました。
第8話・・・(4)からは、キャスリーンさんこと、
aostaさんが主人公と、物語は変わって行きます。

乞うご期待!

予め失礼があろうことを、予告させて頂くと共に、
お詫びいたします。
物語はフィクションです。(笑)
2006年12月09日 11:36
◇Stanesbyさま

Stanesbyさんの「物語」、ずっと拝見させていただいております。
毎回ドキドキしながらも、今までは他人事だったのですが・・・
 第8話から、一体どんな展開になるのやら・・・
今は、違う意味でドキドキしております。

>予め失礼があろうことを、予告させて頂くと共に、
お詫びいたします。
物語はフィクションです。(笑)
      ↑
何とも、意味深なお言葉を頂きました。
鎧・かぶとで身を固め、重装備で臨むここといたしましう(笑)!!

この記事へのトラックバック