オトテール 『プレリュードと組曲』 / 時の彼方の音

先日亡くなった友人のCDラックの中から何枚かを頂いてきました。

     クヴァンツ 「無伴奏小品集」
     ヤコブ・ファン・エイク 「笛の楽園」
     デュパール 「六つの組曲」
     そして、冒頭で紹介したオトテール。

いずれも、気鋭のリコーダー奏者、花岡和生さんの演奏によるトラウトレコードものです。
まだオトテールしか、聴いていないのですが。
なんて美しい音楽。
柔らかいリコーダーの響きが、遥かに遠い、時のかなたの特別な場所から聞こえてくるかのように深くしっとりと聞こえて来ます。
ゆるやかに流れていくその調べに耳を傾けていると、涙と共に思い出があふれてきました。
音楽や文学について、まだ十代だった私を相手に、とうとうと語ってくれた人でした。

「読んだり聴いたりは、沢山じゃなくていいんだ。
どれだけ深く入っていけるかってことだけさ。」

物に執着のなかった彼の部屋には、本もレコードもCDも限られたものしかありませんでした。
その少ないCDの中にあったこの四枚。

小さなベランダで、毎年種から育てていたというプリムラ・マラコイデスの白花、薄いピンクの花が、黄昏れてゆく光の中で、ほの白く浮かび上がるように咲いていました。
ここ1年近く、ほとんど身体の自由が利かなかった人。
この花の種は誰が撒いたのでしょうか。

チェンバロとヴオラ・ダ・ガンバ、リュートによる通奏低音が、遠く近く、風のように響いてきます。
ドローン音がゆっくりとした鼓動のように聞こえて来ます。
繊細なのに強い。
優美で暖かく憂いに満ちている。

Premier Livre de Pieces
プレリュードと組曲
J.-M.Hotteterre J.- M.オトテール
[演奏]
リコーダー:花岡和生 
ヴィオラ・ダ・ガンバ:福沢 宏
チェンバロ:小島 芳子 
リュート: 野入 志津子

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この記事へのコメント

2007年03月31日 11:39
有難う御座います。
とても嬉しく思います。

イカシヤと其の侭読みです。
此れは実は祖父の号?です。私が貰い受けました。
難しい漢字ばかりですので…
2007年03月31日 13:26
◇クララさん

こんにちは!
お変わりございませんか?
暖かいお言葉をありがとうございます。

>簡潔な暮らし、目標です。

整理整頓が苦手なのにCDでも本でも溜め込んでしまう私。
簡潔な暮らしには程遠いです(哀)

今朝、庭のイベリスが沢山蕾をつけているのを発見しました。
例年でしたら四月も半ば過ぎないと花が咲かないはずですのに、今年はやっぱり早いです。ちょっと戸惑います。
2007年03月31日 13:30
◇icashiyaさん
 こんにちは。
「アカシア」ではなかったのですね(汗)
伺いましたブログで蜜蜂さんの記事を拝見し、「蜜蜂→アカシア」の安易な連想ででした(笑)。

光りを集めたようなお写真、どれもすばらしいですね。

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